市場でシェアNo1であり、ジャルコのノウハウ・知識が詰まった開発製品「拝絹地」についてご紹介いたします。
このノウハウが、ご要望どおりの生地・裏地を製作する提案力につながっています。
拝絹地とは、現在はタキシードの襟・側章(パンツの脇)部分に使用されている、光沢感のある生地のことです。
なぜ襟・側章部だけ光沢感のある生地が使われるんでしょうか?その理由はタキシードが生まれた1870年代にさかのぼります。
元々、タキシードは夜に着用するものであり、1870年代暗がりでも各人が目立つようにという意味で、光沢感のある生地が使われるようになったといわれています。
その生地を指して『拝絹地』と呼ばれるようになり、現在もなお由緒ある生地として親しまれています。
高密度で厚く光沢感があるため、非常に存在感のある生地であり、タキシードのみならず、様々なアイテムに応用されています。
ちょっと光沢を出して目立たせたい、そんなときにポイント使いで映えさせるなど、用途は様々広がります。
拝絹地は高密度で厚いため、ミシン糸の通りが悪く、糸切れ等が起こる縫製が難しい生地です。そのため、従来は工場での機械生産が困難で、品質は人の技術に任せるところもあり、ムラが出ることが課題でした。
それを解決したのが、弊社発案の「ボンディング加工」です。ボンディング加工とはFBD(ホームレス加工)といい、素材を重ねる(ボンディング)加工になります。素材をボンディングすることにより、生地がほつれにくくなり、裁断・縫製も容易になりました。
ボンディング加工前
ボンディング加工後
具体的な加工方法は、特殊なウレタンホームを1.5mmの厚さにスライスし、ウレタンを溶かしながら表生地と裏地を同時に接着するものです。
1.5mmの厚さにまでスライスすることや、溶かした後の薄さの調整と接着強度保持が難しく、特殊な機械で加工しています。
拝絹地が縦糸に使用しているシルクの糸は、天然繊維であるため太さが不均一(シルクの糸のコブ)です。そのため、織ったあとに織り傷になりやすい特徴があります。ジャルコでは、織り傷を出さないよう工夫をしながら織っています。
工夫内容については、ノウハウになるので多くは語れませんが、人の手で糸を操作する工夫をしています。
長年積み重ねた努力と工夫で、拝絹地の独自の加工方法を発案し、拝絹地シェアNo.1となりました。
この工夫が、ご要望どおりの生地・裏地を製作する提案力につながっています。
現在の用途
例えばこんな用途
サンプルをご送付することも可能ですので、ぜひ一度生地に触れてみてください。