ジャルコでは、後染め生地・プリント生地等、たくさんの生地を取り扱っておりますが、中でも先染めの甲州織で有名な富士吉田市の機屋とは直接お付き合いがあります。
この『先染め』生地を直接扱うところはそう多くはありません。自然の風合いを生かせる先染めについて、その魅力と産地の方の思いをご紹介いたします。
先染めとは、縦糸・横糸それぞれ別に染めたものを後から織り上げた染色方法です。後染めは、生地になってから染色する方法です。
先染めは、後染めほど防菌や防臭といった機能は目立ちませんが、糸の段階から染めるため、深みのある色と光沢感が生まれます。それにより、後染めよりもはっきりとした色あいに仕上がります。
特に、柄の色をたくさん使う場合など、メリハリを出したいときには、先染めをしてみてはいかがでしょうか。
甲州織は高密度で細糸なので、織物に強さを与えるため、撚糸機で「より」をかけます。
染色機で糸に色をつけます。特に先染めの織物では染色技術が品質に関わってくるため、先進技術を駆使して行います。
織物設計に従って、縦糸の本数・長さ・密度・幅および縞柄などを整え、巻いていきます。
紋織物を織る工程です。縦糸と横糸を交差させ、ジャガード機で織っていきます。もっとも重要なプロセスです。
織り上げられた布に、機能性をつける工程です。防水、シワ、防炎、防汚れ等の仕上げ加工を施します。
整理工程が終わった織物に対し、傷や汚れなどを検査し、出荷準備を行います。
出荷準備が終わった織物を梱包し、発送します。
織機について、昔ながらの『シャトル機』も活躍中です。
シャトル機では、1日に20mほどの少量しか織ることができないため、高速織機で織る布とは違った風合いとジャガードの手のぬくもりを感じてもらえるような布が生まれます。
その他にもジャガード機、レピア機も一部取り揃えております。
担当者から一言
「互いに協力し合いお客様のイメージを実現してまいりました」
「ジャルコ様とは、父の代から55年余のお付き合いがあります。長年の信頼関係があるからこそ、お客様のイメージのものが実現できると思っています。
具体的には、色・組織・糸の品質等の絞込みに始まり、紋紙作成・仕上げ方法〜納期管理までと、お互いの仕事の領域まで踏み込んで話し合うことで、お客様の細かなご要望も忠実に再現できると感じます。
その点で、他社では真似ができない生産体制となっております。
近年オリジナル・ジャカードの柄数(件数)が増えてきており、小ロット対応(1色:60m)の差別化ができる柄が多くのお客様に受け入れられ、製品作りに役立っていると感じています。
今後も小ロット・短納期対応のご要望に、柔軟性・スピード感をもって対応できるよう、ロゴの配列見本帳・基本色見本帳・柄見本等を取り揃えてまいります。」